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プライベートマーケットがブロックチェーンで誰でも取引可能に! Repubilc の革命とは!

プライベートマーケットがブロックチェーンで誰でも取引可能に! Repubilc の革命とは!

Fumiya
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Entry - 初級2022年1月2日 00時00分

Republic は、スタートアップや不動産ファンド、ゲーム開発企業等へ 10ドルから投資できるプラットフォームです。今回はこの Republic についてご紹介します。

概要

Republic は「プライベート・マーケット投資へのアクセスを民主化する」ことを使命とし、2016年にニューヨークで設立されました。これまで、スタートアップ投資やプライベート・エクイティは、VC や銀行、少数の起業家と限られた層しか参加できませんでした。プライベートエクイティには、取引の制限、KYC・AML (本人確認)、正確な評価の難しさ、異なる資金調達ラウンドで発行される複雑で多様な資金調達手段が含まれていることが多く、これらの管理コストは時間的にも金銭的にも大きいものでした。

Republic はこれらの問題をブロックチェーンを利用することで解決しようとしています。ブロックチェーンを利用することで以下のようなメリットが得られます。

  • 身元の追跡や確認を大幅に効率化
  • 取引の自動執行
  • 資産を細分化し、仲介コストを削減
  • 現在投資できる商品は4種類あります。

  • スタートアップRepublic がデューデリジェンスを通じて厳選したスタートアップ。承認率は2%未満とのこと。
  • 不動産特定の不動産や、マイアミやニューヨーク、ダラスなどのアメリカの主要都市別に構成されたファンド等に投資できます。
  • ゲームゲーム開発会社。複数のゲーム会社で構成されるファンドもあります。
  • 暗号資産クリプトに関するプロジェクトに投資できます。
  • Republic は 2021年10月20日、1億5000万ドル (約171億円) のシリーズBラウンドを、 Tesla や SpaceX に出資している VC である Valor Equity Partnersのリードで完了したことを発表しました。執筆時点で従業員は200名、このラウンドの前にも、新株発行で5000万ドル(約57億円)以上を、トークンの販売で2000万ドル (約23億円) 以上を調達しており、非常に期待されているプロジェクトであることが伺えます。

    トークンの仕組みと活用

    Republic のエコシステムは、誰もが利用できる Republic Crowd-Invest と、認定・機関投資家のみが利用できる Republic Private Capital で構成されています。Republic Crowd-Invest では、誰でも10ドルから厳選されたスタートアップに投資することができます。Republic Private Capital は、シードからレイトステージまでのプライベート取引に投資るシンジケートで、多くの場合有名な VC と共同で投資を行います。それぞれで出資した企業が買収されたり上場するたびに、Republic Crowd-Invest からは収益の100%、Republic Private Capitalからは収益の25%が関連会社の Republic Core に支払われます。Republic Coreが受け取る金額を Core Proceeds と呼び、この Core Proceeds に対する分配権をRepublic Note - $NOTE というトークンとして発行しています。

    Republic Note の保有者は、Republic を通じて資金調達をおこなった企業に対して直接的な法的所有権は持ちませんが、一定の管理費と分配費用を差し引いた Core Proceeds の一部を受け取ることになります。Republic Core は、Core Proceeds が一定額に達するたびに、Republic Note 保有者のウォレットアドレスに保有割合に応じて分配を行います。つまり、スタートアップへの投資はハイリスクとなりますが、Republic Note の保有は、Republic 上のすべてのスタートアップをまとめたインデックスのような役割を果たします。

    Republic Note は Algorand ブロックチェーン上で構築されています。Algorand は、チューリング賞受賞者で MIT教授の Silvio Micali 氏によって作られたブロックチェーンで、ネットワークのスループットが比較的高く、取引手数料が低いことが特徴です。Algorand のスマートコントラクトの実装は ERC-20規格を主に利用しており、セキュリティトークンの譲渡制限を ERC-1404規格で実装しています。各トークン保有者のウォレットアドレスは特定のグループに限定しており、特定のウォレットグループ間の送金のみが許可されるようになっています。

    法的な解釈と姿勢

    Republic Note は米国証券法上の有価証券として扱われ、アメリカ人、特に非適格投資家に対する有価証券の募集、販売、再販には米証券取引委員会(SEC)から制限が課せられます。非適格投資家が購入できる Republic Note の数には制限があり、アメリカおよびその他の管轄区域での転売や上場にも制限があります。アメリカに限らず、ICO とその後の上場や取引に関する法律や規制は不確実で、頻繁に変更されます。CEO 兼共同設立者であるKendrick Nguyen(ケンドリック・グエン)氏は元証券弁護士で、スタンフォード大学ロースクールおよび Rock Center for Corporate Governance のフェローを務めていた経歴を持っていることもあり、不透明な状況の中でもコンプライアンスの徹底には強い意識を持っているようです。

    不動産への参入

    上記で説明した通り、Republic は当初スタートアップ・プライベートエクイティ投資の民主化を掲げてスタートしましたが、拡大の過程で幅広い分野のサービスを提供するようになりました。2020年6月、Founders Fund と NEA が支援する、都市部の住宅用不動産へのクラウドファンディング型の投資を促進するテクノロジー企業の Compound を買収し、Republic Real Estate を立ち上げました。今ではスタートアップ、暗号通貨、ビデオゲーム、不動産など幅広い投資商品を提供しており、今後は宝石・貴金属・美術品などの収集品、その他のオルタナティブ資産など、分野を広げていくことを予定しています。

    総論

    今回は不動産に限らず、様々な金融商品へのアクセスを容易にするプロジェクトをご紹介しました。日本でもセキュリティトークンを利用した不動産証券化については大手も多く参入しており、不動産をめぐるブロックチェーンの活用では最も盛り上がる分野の1つだと考えられます。法規制の変化を見通した上で利便性をどう確保するか。日米の環境は異なりますが、Republic の戦略は参考にできる部分が多く、今後の動きにも注目したいところです。

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