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Propy の Crypto Certified Agent になってみた

Propy の Crypto Certified Agent になってみた

Fumiya
Fumiya
Entry - 初級2022年3月24日 00時00分

Propy には Crypto Certified Agent という枠組みがあります。日本語に直訳すると暗号認定代理店になりますが、この枠組みはどのようなもので何を背景に作られたのでしょうか。この記事では Propy の新しい認定の枠組みについて、日本で初めて Crypto Certified Agent の資格を取得した筆者がお話ししたいと思います。

Crypto Certified Agent とは

この Certification は暗号不動産についての知識を認定する仕組みです。ホームページには「暗号、ブロックチェーン、デジタルウォレット、トークン化について知っておくべきことをすべて学ぶことができます。不動産で今起こっていることを賢く理解し、押し寄せる波に備えましょう。(和訳)」と書かれています。この資格を取得すると以下のような認証とバーチャルのバッチがもらえます。

難易度とコースをうけるメリット

このコース及びテストの対象オーディエンスは不動産の初心者から上級者となっています。しかし、技術的には非常に簡単ですので、ブロックチェーンや暗号資産にかかるバックグラウンドをすでにお持ちの方には簡単すぎる内容なので、受ける必要のない資格でしょう。

なお、コンテンツはお金を払わずとも見ることができます。課金するかどうかは認証が欲しいかどうかです。また、コースを登録すると以下のように Propy Professional から Propy Unlimited のプランにアップグレードされるようです。

コースの価格は 497 ドルで、認定の要件はテストの 75% 以上の正答です。3回の試験合格のチャンスがあるので落ちても安心です。個人的な感想ですが、値段からするとコースは非常に割高だと思います。また日本で取得するメリットは現状、学習用途以外にはありませんし、学習ですらビデオを見れば良いのでお金をかける必要はありません。

2022/03/20 時点で使える50% オフのクーポンもありますので、もし認証を欲しいという方がいらっしゃったらぜひ受けてみてください。

リンク

コースのコンテンツ

Propy はこの認定を得るためのコースを提供していますが、コースは6つのセクションに分かれています。この動画を見ることは認定のための必須要件ではありません。

  • ブロックチェーンやスマートコントラクトについて学び、これらがどのようにエージェントとしての日常生活を向上させるかを学びます。
  • スマートコントラクトがどのように不動産を自動化し、またエスクロー会社に取って代わるかをご覧ください。イーサスキャンのブロックチェーンアドレスを使用した証書について学びます。
  • ブロックチェーン間の違いを学びます。ビットコイン、イーサリアム、EOS、IBMのハイパーレッジャーが本当に何であり、何がそれらを差別化するのかを学びます。
  • トークンとブロックチェーンの違いについて学びます。
  • Bittrex、Huobi、Binanceなどのデジタルウォレットや取引所に関する複雑な知識を身につけることができます。
  • 不動産トークン化、STOの近未来と業界の進化を理解する。
  • 2022/03/20 の段階では1-5章は Propy CEO の Natalia が講師を務めています。それぞれ1時間以下の内容です。1-5章はとてもベーシックな内容なのですが、6章の STO のお話になると少し難しくなります。筆者としては 6章のセッションで STO の失敗事例について言及されていたことが印象的でした。

    Propy がこの認定を実施する理由の考察

    不動産ブロックチェーンの分野では暗号資産やブロックチェーン技術を用いて不動産の流通を簡単にする試みがなされておりますが、あくまでも不動産を扱っている以上、不動産の販売には知識を要します。また不動産を不動産として流通させるためには不動産流通にかかる資格が必要になるケースもあります。しかし、暗号資産ビジネスと既存の不動産ビジネスの間には業界的・知識的・技術的にも大きな溝があり、その溝を埋める努力が至る所でなされています。

    学習コースの6章では、STO の失敗事例がいくつも紹介されていましたが、Propy はその失敗の理由を「学習や市場の成熟度が足りなかった」と評価しています。上述したようにこの資格のメインのターゲットは既存の不動産業者です。そのためこのコースは Propy が既存のエージェントを暗号資産の世界に引き込むための施策として導入されたものと推測できます。

    また、この資格は 479ドルかかるため比較的高価な試験に部類されます。もちろん権威性を維持するためにある程度の価格設定をしているという理由もあるでしょうが、現在不動産流通において多くの利益を生み出していない Propy からするとこのコンテンツも貴重な収入源となるはずです。コースのためのコンテンツ作成コストはほとんどかかっていない上に使い回しが可能です。

    一方でウェビナーは定期的に開催しており、先日100回目のウェビナーが開催されましたが、かなり精力的に続けられています。Twitter で資格取得報告の投稿を見ると、その多くは暗号資産界隈の人間ではなく、ビジネスの機会を探している既存のエージェントであるように思われ、彼ら・彼女らは Propy の資格を主に自信のブランディング目的で使っているように見受けられます。

    コンテンツ事態は初心者向けであるものの、これから不動産ブロックチェーンの世界に入る人にとっては非常に有益な内容ではあります。コンテンツ事態は無償ですので、興味のある方はぜひチェックしてください。おまけに掲載したリンクよりコンテンツを見ることができます。

    おまけ

    Propy に招待リンクから登録したり、招待をしたりすると多くの PRO トークン (Propy のトークン) を取得することができます。以下の招待リンクを踏んで登録すると 100 PRO トークン(=2022/03/20時点のレートで23,400円程度)がもらえます。他にも Propy の Learn and Earn という仕組みで学習をすればするほどトークンがもらえます。下記に筆者の招待リンクを貼るので、ぜひ登録してみてください。

    リンク

    もしかすると「なんという大盤振る舞いでしょう」と思われるかもしれませんが、このトークンはアメリカで不動産エージェント登録をしないと引き出すことができません。日本ではこの PRO トークンを取得しても Propy が日本でビジネスを展開するまでは無価値ですし、日本でビジネスを展開したとしてもこのトークンを引き出すことができるかは分かりませんのでご注意ください。

    筆者はチームメイトを紹介して合計 200 PRO トークン取得しました。これは 2022/03/20 の時点で46,800円相当ですが一生引き出せない気がしています。資格代だけ賄った気持ちです。

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