YC出身!AIが選んだ投資用不動産を50ドルで買える「Lofty AI」とは?
Lofty AI は、トークン化された投資用不動産に、わずか50ドルから投資することができるサービスです。YCに採択された彼らのプロジェクトの概要や展望についてご紹介します。
概要
Lofty AI は2018年創業のロサンゼルスのスタートアップで、Y Combinator 2019年期の卒業生です。YC の他に Rebel Fund、Jason Calacanis、Hustle Fundなどの投資家から、総額500万ドル以上の資金を調達しています。「流動性の低い不動産市場に流動性とアクセス性をもたらす」ことをミッションに掲げ、1トークンあたり50ドルという低価格で、わずか5分で誰もが不動産の直接オーナーになれるマーケットプレイスを目指しています。Lofty AI 独自の特徴は、マーケットプレイスに掲載されている物件は、現地の投資チームと独自の人工知能の両方によって審査されている点です。ソーシャルメディアのデータや小売店の動向など、評価を促す市場指標を設計し、物件を精査しています。2022年2月16日時点では37件が売却済みで、37件が掲載中となっており、全て戸建ての住宅です。
Lofty AI はアルゴランドブロックチェーン上に構築されており、2021年11月にアルゴランド財団との提携を発表、アルゴランド財団助成金も受け取っています。Algorand の採用理由はスピードと取引手数料の安さとのことです。現時点ではLofty AI上での不動産トークンの購入はクレジットカードやACH送金となっていますが、近日中に独自トークンでも購入できるようになる予定です。同じく、賃貸収入は米ドルでオーナーに分配されていますが、アルゴランド・ウォレットに直接送金するオプションも提供される予定です。
AIはどのような予想をしているのか
Lofty のAI モデルは、個々の物件ごとの価格を予測するのではなく、エリアごとの価格変動を予測するアプローチを取っています。Lofty は空間的特徴をもとにグルーピングされた住宅は時間の経過とともに同じように価値が増減する傾向がある可能性が高いとしています。また、アメリカにおける住宅所有期間の中央値は約13年という統計があり、基本的に住宅は頻繁に売却されるものではありません。特定の不動産について売りに出されていない期間の価値を知るデータが無い分、モデルに誤差が生じてしまう可能性が高いため、エリアごとの予測が有利であるとしています。2018年から2021年にかけてLofty の AIモデルが予測を作成した全エリアのうち、値上がり益の中央値は12.31%でした。一方で、AIモデルが「買いだ」と判断したエリアのみを購入した場合、値上がり益の中央値は34.47%になったとのことです。どの期間においてもこのくらいの差が現れるのであれば、非常に信頼のおけるモデルですよね。Lofty ではこのAIモデルで投資対象エリアを特定したのち、現地の専門家がリスク軽減のための投資基準や知見を加えて、実際の投資対象を決めているそうです。
どのように不動産をトークン化しているの?
不動産の所有権は法律上直接トークン化することができません。これは日本でもアメリカでも同じです。LoftyAI では、他の多くの不動産トークン化プロジェクトと同じように、LLCを設立し、投資対象となる不動産を取得します。LLCの所有権をトークンとして発行することで、トークンの保有者は間接的に不動産を所有することになります。
不動産をトークン化するメリットは?
これまでの不動産投資スキームと比較して、不動産をトークン化することのメリットとしては以下の点を挙げています。
従来の不動産投資やクラウドファンディングとは異なり、不動産トークンはロックアップ期間なしで流通市場を通じていつでも売却することが可能です。
不動産の所有権は、紙の文書で表されるのではなく、変更やハッキングが不可能なデジタル台帳で表されます。
トークン化された小口所有権により、50ドルから不動産投資にアクセスすることができます。
トークン化された不動産への投資は5分以内に完了します。すべての法的文書、所有権証書、所有権などはブロックチェーンに保存されます。
低い手数料とブロックチェーン技術の取引スピードのおかげで、銀行振込を受け取るために30日間待つ必要がなくなりました。
これらに加えて、DeFiプロトコルを扱えるようになることもトークン化する大きなメリットだと述べています。DEXでいつでも不動産トークンを他の資産とスワップできたり、不動産トークンを担保にステーブルコインを借りたりと、不動産をより手軽な資産として扱えるようになりそうですね。
まとめ
今回は不動産トークンのマーケットプレイスLoftyAIについてご紹介しました。イーサリアム以外のブロックチェーンでもReal Assets Backedなプロジェクトが多々登場しています。トークン化のメリットは単に買いやすくなっただけではなく、ブロックチェーンネットワークの中での活用の可能性が無限にあることです。DeFiの整備も含めて、それぞれのネットワークの中でどのように発展していくのか、今後が楽しみですね。