ブロックチェーンで分散型賃貸住宅プラットフォームを提供する Rentberry を解説!
Rentberry は、オンライン上で契約や賃料の支払いなど賃貸に関する手続きをワンストップで行うことができるCtoCプラットフォームです。今回はその Rentberry について解説していきます。
概要
Rentberryは、アメリカを中心に CtoC の不動産賃貸サービスを提供するプラットフォームです。
通常、不動産賃貸の取引では仲介会社が借り手と貸し手(管理会社)の間に入って契約手続きを進めるのが一般的ですが、Rentberry では借り手と貸し手が直接やりとりできます。現状、家を借りるには下記のようなプロセスが必要です。
それぞれのプロセスで同じ情報を何度も記入しなければいけなかったり、不動産業者同士のやりとりが電話やFAXといったアナログな方法であることから、時間やコストが大きいことが課題として挙げられます。
Rentberryではこれらのプロセスを短縮し、各手続きを全てワンストップでオンライン上で行えるようにすることで仲介会社を省略した手続きを実現しています。貸主にとっては物件の管理や集客に係る手間を大きく減らせますし、借り手も面倒な手続きをしなくて済むことに加え、仲介手数料の削減、家賃交渉やメンテナンス作業の依頼が簡単にできるといったメリットがあります。
トークンの仕組みと活用
Rentberry が発行するトークンは BERRY と呼ばれ、イーサリアムのブロックチェーンにおいて ERC-20規格で発行されていす。イーサリアムブロックチェーン上の取引の処理時間の遅延やリソースの制約がプラットフォーム上のパフォーマンスに悪影響を与える可能性を考慮して、Rentberry はパブリック/プライベートチェーンのハイブリッドモデルの採用するとしています。
BERRY トークンをパブリックブロックチェーン上に置く一方で、Rentberry はスマートコントラクト機能を備えたプライベートブロックチェーンネットワーク台帳を作成し、プラットフォーム上の取引を管理します。Rentberry のユーザーは、このプライベートチェーンの台帳を自由に閲覧することが出来ます。イーサリアムがプラットフォームのパフォーマンスを低下させる懸念がなくなり、 Rentberry 上のやりとりを完全にサポートできるようになった時点で、全ての取引をパブリックチェーンに移行することを予定しています。
トークンはプラットフォーム上で以下のようなケースで使用されます。
現状と課題
上述した BERRY トークンの活用については、2017年に公開されたICOにあたってのホワイトペーパーに記されていたものです。現在も Rentberry のプラットフォーム上では不動産賃貸の取引が行われており、実際にどのように BERRY トークンが活用されているかというと、プラットフォーム上の取引に関しては全く使われておらず、ガバナンストークンとして使われているようです。諸々の支払いについてもクレジットカードでの決済となっています。
上のタイムラインはホワイトペーパーに記載されている30ヶ月間のロードマップとなりますが、ほとんど実現されていないように見受けられます。トークン価格も、ICO時には、1 BERRY = 約21円 だったのが、現在は約0.06円まで下がってしまっています。
総論
ブロックチェーンを活用した賃貸プラットフォームとして Rentberry は2017年のICO時には大きな注目を浴びました。クリプトに関わらず、不動産自体がレガシーな業界かつ、各プロセスにおいて関わっているプレイヤーも多いため、全体を新しいテクノロジーによって最適化することは難易度が高い挑戦だと思います。BERRY がユーティリティトークンとして活用されるようになる可能性は低いとは思いますが、実際の取引が生まれているプラットフォームということもあり、どのようなスキームでブロックチェーンを活用していくのか、今後の動きにも注目したいところです。
余談ですが、なぜか筆者は2021年12月24日現在、Rentberry の Twitter 公式アカウントにブロックされています笑
ツイートに対して返信をしたこともありませんし、Rentberry に関して何かネガティブな発信をしたこともないので、理由は全く分かりません😂