RealTで不動産を買ってみよう!
不動産ブロックチェーンのトークンを買う
いざ買おうと思っても、正直「不動産トークンって、どうやって買うの?」「難しそうじゃない?」と思われる方も多いかもしれません。
不動産ブロックチェーンの分野ではかなり多くのプロジェクトがあり、Propwave でもいろいろなプロジェクトを紹介してきました。しかし実際に一般のユーザーが不動産を購入できる段階まで進んでおり、かつ継続的にオペレーションが行われているプロジェクトはあまりないのが実情です。また、購入にかかる UI が優れているかというとそうとは言い切れず、デザインはシンプル・工業的であるとも形容できるかもしれません。そして現状、多くの不動産トークンは一般的な日本人が買うことはできません。以上の理由から特に日本人には馴染みが深くないものになっています。もちろん日本語の情報もほとんどありません。
今回はRealT を題材に、日本からはサービスの中身が見えづらく、手触り感がない不動産トークンの中身を見ていきたいと思います。
いざ購入!
ここでの購入は Coinbase かクレジットカードを選ぶことができます。 このトークンは売り出し時はFIATベースの定額で決まっています。二次流通市場では値段の動きが期待されますが、不動産に裏付けされたトークンですし、他の仮想通貨のように大きく跳ね上がることは期待しづらいでしょう。
税にまつわることや、法律に関してはこちらの記事に記載しておりますので、是非ご覧ください。デラウェア州のシリーズ LLC という仕組みを使っています。
確かに一般的なNFTに比べると制限はありますが、ここで読者の皆様は「これが不動産の購入である」ことを思い出す必要があります。フォーカスされるべき事実は、今まで数日以上かかって、登記費用や仲介手数料も高かった不動産取引が、KYCとクレジットカードの利用でインターネットで完結したことでしょう。
購入した後
RealT には My Account の設定画面があり、不動産ポートフォリオを管理することができます。
ORDERS の一覧を見ると、それぞれの物件の処理情報がわかります。 例えば、Status の覧で、”Contract Sent” となっているのは不動産をブロックチェーン上で所有していることが証明される状態になったことを指し、”Completed” は、米国の法律上でも不動産を所有していることが証明される状態になったことを指しています。
Sell Tokens のページでは、所有するトークンを RealT に買ってもらうことができます。
この場合、仲介手数料に該当する RealT Fee 1.5% と、諸々の処理費用に該当する Processor Fee 1.5% が必要になります。
例えば、10% の利回りが期待できる、50ドルのトークンを 10個購入した場合を考えてみましょう。
合計500ドルの購入金額に対し、売却時では3% の手数料がかかるため、追加で15ドルの費用が必要になります。この15ドルという金額は、利回り 10% の場合で取得するのに約110 日かかるため、このトークンは少なくとも 110 日持ち続けなければ損をすることになり得ます。もっともこの計算は購入金額と売却金額が同じ場合に限ります。もしも物件価値が下がった場合はより多くの時間が必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。読者の皆様が少しでも不動産トークンの購入を身近に感じられたとしたら幸いです。他方、一般的に不動産は他の暗号資産とは異なり、いきなり価格が暴騰するような代物ではありません。そして不動産の性質上、仮想通貨としての知識だけでなく物件を見極めるノウハウが必要となります。
例えば1億円相当の市場価値を持つ物件が1億1000万円で売り出されていた場合、多くの人はその物件に手を出さないでしょう。1000万円の差は誰しも大きく感じるはずです。しかし 50ドルの物件トークンが55ドルで売られてたらどうでしょう。「万が一値段が落ちても5ドルだからいいか」そう思うかもしれません。しかし、もともと1億の物件が1億1000万円では簡単に売れないように、現実ではそもそも割高な55ドルで買ったトークンの価値がさらに上がることは起こりにくいと言えるでしょう。
もしかすると、不動産バブルが世界的に起こっている今日では、不動産価値が10%上がることは造作もないことかもしれませんが、この部分は市況を見ての判断になりますので投資判断が難しい部分と言えます。
新興の不動産ブロックチェーンのプロジェクトは世界的に 「不動産裏付けなので安全」「価値が安定している」と不動産トークンを表現する傾向にあります。しかしその言葉は「運営企業/DAOが安全」を表すものでも「運営企業の不動産選球眼が良い」ことを表すわけではありません。
不動産ブロックチェーンの技術は取引は抽象化してくれるものの、結局のところ不動産投資判断を簡単にしてくれるものではありません。とても簡単にトークンが買えることは良いことですが、手数料や実際の利回り計算、対象不動産自体の資産価値推定作業を考えると、投資判断を下すのは大変な作業です。
しかし、いずれにせよ確実に「不動産の購入」のハードルは下がっていると言えるでしょう。そのほかにも Landshare のように福利効果を自動で享受できるトークンも最近登場し、不動産投資の分野は広がりを見せています。RealT のページはこちらですので、興味のある方は是非ご覧ください。